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島田チェアマンが語るB.LEAGUEの未来「沖縄アリーナに目指す世界観がある」

B.LEAGUE 2021-22シーズンの開幕戦、2022年1月のB.LEAGUE ALL-STAR GAME 2022 IN OKINAWA、さらにはFIBAバスケットボールワールドカップ2023(グループラウンド)と、バスケットボール界で注目の試合が次々に沖縄アリーナで開催される。 B.LEAGUEに所属する琉球ゴールデンキングスの本拠地である”沖縄アリーナの価値”と”今後の可能性”について、B.LEAGUE島田慎二チェアマンに直撃インタビュー。 「B.LEAGUEの未来は、沖縄アリーナに目指す世界観がある」と語るその真意とは!

今年は沖縄アリーナを、B.LEAGUEは推していきたい!!

—-B.LEAGUE 2021-21シーズンの開幕戦を沖縄で開催することの意義について、島田チェアマンにお聞きします。 なぜ、今回の開幕戦に沖縄を選んだのでしょうか?

島田チェアマン:1つ目の理由は、この沖縄アリーナです。現在、B.LEAGUEは、将来構想として”2026年から新しい制度設計に変えていこう”と動いています。 この構想の根底には、日本各地に最先端のアリーナを展開し、高品質のエンタテインメントを地域の皆さまに提供していきたい、という想いが強くあります。その先駆けとなったのがこの沖縄アリーナです。

そもそも「なぜアリーナなのか」というと、アリーナと体育館とは大きく異なります。 特に、体育館は”競技をする施設”ですが、アリーナは”観るための施設”という点です。 ファンの皆様の観戦体験として、すり鉢状になっていてどの席からでも見やすい、メガビジョンがとても大きく迫力がある、スイートルームがたくさんあるなど、すべてにおいて違いがあります。 “観るために特化した施設”として、もっともファンに寄り添っている。 そのようなアリーナがあることは、沖縄のバスケットボールファンの皆様にとって、本当に素晴らしいことだと思います。

この沖縄アリーナの素晴らしさを全国の方々にも知って頂きたいですし、それによって、B.LEAGUEが作りたいアリーナをイメージしていただけるのではないかと思っています。 なかなか言葉ではお伝えするのが難しいで、バスケットボールファンに限らず一人でも多くの方にこのアリーナを目で見て体感していただきたい。 今回開幕戦でもそうですし、オールスターゲームでもそうですね。 “今年は、沖縄アリーナをB.LEAGUEは推していきたい!”ということが開幕戦の場所として選んだ理由のひとつですね。

もうひとつの理由は、B.LEAGUEの歴史を重ねるという点です。2015年4月にB.LEAGUEが設立され、翌年2016年9月に開幕、今季6シーズン目となります。 2016-17シーズンは、国立代々木競技場第1体育館においてLEDビジョンコートを使用した華々しい開幕戦で、琉球ゴールデンキングスとアルバルク東京が対戦しました。
あの当時は、メディアから「沖縄の雑草軍団と東京のエリート軍団」という論調で語られましたが、B.LEAGUEが開幕して5年経ち、今や琉球ゴールデンキングスはもの凄く成長し、そしてこのような沖縄アリーナを携え、B.LEAGUEの中でも強豪クラブの一つとなりました。

アルバルク東京も強豪クラブの一つですし、今ではまったく対等な立場となり、 “沖縄アリーナをもって琉球ゴールデンキングスがアルバルク東京を迎え撃つ”。 このような場を作ることで、バスケットボールファンの皆様に楽しんで頂きたいということから、 このビックカードを開幕戦として組みました。

キングスは、B.LEAGUEの理想とするクラブの一つ

—B.LEAGUEオールスターゲーム沖縄開催にあたってバスケットボールファンへ伝えたいことは?

島田チェアマン:琉球ゴールデンキングスが地道に努力を続けられ、今やB.LEAGUE屈指の人気クラブになっています。さらには、このようなアリーナを、沖縄市を始め地域の皆様と一緒になって立ち上げて頂いています。琉球ゴールデンキングスは、B.LEAGUEの理想とするクラブの一つだと思っています。

そのような背景もあって、B.LEAGUEオールスターゲームを1月に開催します。もちろん地元沖縄の皆様にも楽しんで頂きたいですし、全国からお越しになるファンの皆様には、このアリーナの素晴らしさを体感して頂き、沖縄の魅力も充分に味わってもらえると嬉しく思います。 B.LEAGUEオールスターゲームは地域創生というコンセプトを掲げて開催します。試合や様々なイベントを通じて沖縄の皆様、ひいては日本中のバスケットボールファンの皆様に夢と希望をお届けできるよう努めてまいります。

『アジア圏と繋がるハブとしての沖縄への期待』

—-沖縄は地理的にアジアに一番近く、海外からのアクセスの便利さなどからもアジアと日本を繋ぐビジネスハブ拠点となっています。その点から、今後のB.LEAGUEのアジア戦略と沖縄との関係についてお聞かせください。

島田チェアマン:B.LEAGUEではアジア特別枠として、中国、チャイニーズタイペイ、インドネシア、フィリピン、韓国の5カ国から選手を迎え入れています。アジア各国と沖縄は近いということで、この沖縄アリーナの魅力をアジア圏の皆様にもお伝えしたいですし、会場にもお越しいただきたいですね。 また、2023年にはFIBAバスケットボールワールドカップもあります。まずはそこを皮切りとして、この沖縄アリーナのことを広く知って頂く機会になれば嬉しいです。今後は、B.LEAGUEのアジア戦略のハブ機能も担っていただけるのではないかと、とてもワクワクしています。

FIBAバスケットボールワールドカップ2023では、多くの方にバスケットボールの楽しさを知ってもらいたい

—-FIBAバスケットボールワールドカップ2023(グループラウンド)の沖縄開催で、沖縄やB.LEAGUEに及ぼす影響やイノベーション効果などについてお聞かせください。

島田チェアマン:前回、中国で開催されたFIBAバスケットボールワールドカップ2019では、日本代表にとっては悔しい大会となってしまいました。一方で、世界各国の強豪国が集結し盛り上がりをみせていましたし、世界中からたくさんのバスケットボールファンが観戦に訪れていました。

2023年の大会では、日本代表のさらなる活躍を期待しています。また、その頃には新型コロナウイルスによる影響も落ち着いていることを願います。そして、世界中から多くのバスケットボールファンが沖縄に訪れ、沖縄アリーナ周辺(沖縄市)が賑わうことで、少しでも地元経済に寄与できると嬉しく思います。

今年、東京オリンピックが開催され、バスケットボールからは男子・女子が出場し、大いに盛り上がりました。ここ沖縄アリーナでオリンピックの前に行われた強化試合も地上波などで中継されましたし、テレビでの放送をきっかけにバスケットボールを知っていただく機会が増えたのではないかと思います。

これからFIBAバスケットボールワールドカップ2023 アジア地区予選や、FIBAバスケットボールワールドカップ2023も含めて、地上波をはじめとしたテレビでの中継もたくさん増えると思います。まさに、B.LEAGUEだけでなく、日本バスケットボール界にとって勝負の時だと考えています。 “いかにこの機会を逃さずに、多くの方にバスケットボールの楽しさを知ってもらうか”。我々にとっての大きなチャンスに向けて、様々な試みにチャレンジしていきたいと思います。 FIBAバスケットボールワールドカップ2023の開催は、我々にとってもビッグプロジェクトとなりますので、地元沖縄の皆様と一緒に盛り上げていくことができれば嬉しいです。

B.LEAGUEの未来に描いている世界観は、ここ沖縄にある

—-最後に全国のファンへメッセージをお願い致します。

島田チェアマン:今回の沖縄での開幕戦開催は、私の強い想いもありました。B.LEAGUEで掲げている将来構想において、アリーナの存在は大きな要となっています。非日常を感じられる夢のアリーナの実現が、将来構想に向けた改革の一丁目一番地だと考えています。まさに、沖縄アリーナではその世界観が実現されていますし、このような素晴らしいアリーナを作っていただいた沖縄市様はじめ、地域の皆様には感謝しかありません。 テレビ観戦でも良いですし、会場に足を運ぶのも良い、ぜひこのアリーナを多くの方に見ていただきたいと思い、ここ沖縄で開幕戦を開催しました。B.LEAGUEオールスターゲームも同様の理由から、沖縄アリーナで開催します。

まさにB.LEAGUEが目指している世界観が、ここ沖縄アリーナにありますので、全国のバスケットボールファンの皆様にも、ぜひ一度、沖縄アリーナに足を運んで頂けると嬉しく思います。

各自治体の皆様や地域の皆様と一緒になり、盛り上がっていくクラブが増えれば増えるほど、「バスケットボールで日本を元気する」ということに通じていくと信じています。 まさに、沖縄がその代表例ではないかと思います。この盛り上がりを全国に広げていくためにも、さらなるチャレンジを続けていきます。