スペシャルインタビューVOL.1 田中律子さん 水上のアクティブリラクゼーション 沖縄とサップヨガのいい関係
今、まさに広がりを見せているサップヨガをいち早く実践し、
自らインストラクターとして日本サップヨガ協会会長を務める
田中律子さんにその魅力を教えていただきました。
沖縄の海との出合いが環境活動の原点
私は12歳から芸能活動をしているのですが、14歳の時に機内誌の撮影で初めて沖縄を訪れました。その時、西表島でダイビングをしたのが沖縄の海との出合いです。サンゴ礁の美しさや泳ぎ回る色鮮やかな魚に驚いて、「何、ここ~!?」って沖縄の海にすっかり魅せられてしまったんです。18歳でダイビングのライセンスを取得してからは3カ月に1回ぐらい、時間を見つけては沖縄の海に潜りに行き、すっかりはまってしまいました。サンゴ礁を初めて見た感動は今も忘れられませんが、その頃から30年ぐらい経った今、当時と比べるとかなりのサンゴが死滅しています。温暖化で水温が上昇したせいでサンゴが白化現象を起こし、傷んでいるのです。「このままではダメ。なんとかしなくちゃ」という危機感から「アクアプラネット」というNPO法人を立ち上げて、サンゴ礁の保護や再生活動に取り組んでいます。私たちが行うサンゴの再生は、陸域で育てたサンゴの苗をボランティアダイバーによって植え付ける方法です。
活動はほんとに追いかけっこのような感じです。植え付けても、植え付けても、今年もエルニーニョ現象が起き、海水温は上昇しています。けど、悲観的になって何もやらないのではなく、少しずつでも、一歩ずつでも取り組んでいきたいと思っているんです。私たちの活動の内容や世界有数のサンゴ礁が広がる沖縄の海の現状をもっともっといろんな人たちに知って欲しいですね。沖縄にサンゴ礁があるのが当たり前という意識を改め、「このままではなくなってしまうかもと言い続けていきたいのです。
沖縄の海はサップヨガに最適な場所
ヨガをはじめてかれこれ10年になります。私にとって、ヨガはもはやライフスタイルのひとつですね。自宅にヨガスタジオを造って、不定期ですがレッスンもやっています。私は楽しいことが大好きなので、ヨガも楽しみながら突き詰めていくうちにインストラクターにもなりました。
サップヨガとの出合いは3年ぐらい前になります。サップ(S.U.P.)とは「Stand Up Paddle Board略で、ボードの上に立ってパドルを漕ぐ水上スポーツですが、一歩進んで、サップの上でヨガを楽しむ新しいアクティビティが生まれています。不安定な水面に浮かぶサップの上でヨガのポーズを取るので、コアトレーニング、つまり体幹を鍛えるエクササイズになります。インナーマッスルに効くんです。
大自然に身をゆだねて、ココロもカラダもきれいにしようというのがサップヨガのコンセプトなので、沖縄はぴったりの場所ですよ。ほんとに気持ちがいい。青い海と白い砂浜を眺めながらサップヨガをやるなんて、最高の開放感ですよね。ココロとカラダのバランスを取ることで、自分の内側からパワーがあふれてくるのが感じられると思います。難しそうに見えますが、誰にでもすぐに始められます。レベルに合わせて、優しいポーズやハードなポーズなどいろいろ自分のできる範囲で大丈夫ですよ。
サップヨガの後はみんなでそのまま海に飛び込むこともあります。ヨガというと、静かに瞑想するというイメージがあるかもしれませんが、サップヨガは、どちらかと言うと、もっとアクティブかもしれませんね。私はレッスン中、みんなに「もっと笑って~」などと呼びかけています。オープンハートにして、心を開いて、笑顔で帰って欲しいですね。「美」と「健康」と「自然」の3拍子揃ったアクアエクササイズをぜひ沖縄でトライしてみてください。
環境活動は海への恩返し
幼いころから身体を動かすことが好きでしたが、特に海で遊ぶのが大好きなんです。泳いだり、サップをやったり、サーフィンもダイビングも……。今、環境保護や啓蒙活動に取り組んでいるのも、遊ばせてもらった海への恩返しのようなものなのです。たくさんのパワーをもらった海への感謝ですね。自分たちが海でリフレッシュ、リラックスするだけではなくて、安らぎを与えてくれて「ありがとう」という気持ちが大きいのです。だからこそ、海は守っていかないといけない。”感謝”が私の環境活動の原動力です。
プロフィール1971年生まれ。東京都出身。女優・タレントとしてドラマや映画で活躍する一方で、2006年に特定非営利活動法人「アクアプラネット」を設立。2009年より理事長に就任。海の環境啓発活動を中心に、ボランティアダイバーとともにサンゴ礁の再生活動を行っている。また、美ら海沖縄大使(2010年~)、久米島観光大使(2011年~)なども務め、広く活動している。2013年には映画「サンゴレンジャー」に出演。
田中律子オフィシャルブログ
特定非営利活動法人「アクアプラネット」