Others スポーツ記事

その他
  • #Healing Sports

風と共に、心をあわせて。 与那国馬と、日本最西端の絶景を行く。

沖縄が誇る、離島の中の離島、与那国島へ。

離島好きな旅人にとって、一度は訪れてみたいといわれる「日本最果て」の島、与那国島。台湾までの距離はわずか111km。日本の最西端に位置する沖縄の離島です。「最果ての島」と聞くと、つい辿りつくまでの道のりを案じてしまうかもしれませんが、アクセスは意外と簡単。那覇空港から空路で約1時間、もしくは南ぬ島(ぱいぬしま)石垣空港から約35分で行くことができます。旅程にゆとりがある方は、石垣島から1週間に2便運航している「フェリーよなくに」に乗って、ゆっくりと船旅を楽しむという手も。与那国空港の出口付近には島の観光協会のカウンターがあり、訪れた人を笑顔で迎えてくれます。今回対応してくれたのは、優しい笑顔が印象的な米城さん。いろいろと島のことを教えてもらいました。観光スポットなど、わからないことがあればカウンターで気軽に相談してみましょう。ここ与那国島を代表するアクティビティといえば、在来種として有名な与那国馬の乗馬体験がオススメということで、4名の女性たちがホースライディング(乗馬)に初挑戦しました。

大切なのは、馬と友達になること。

訪れたのは、島の南に位置する比川集落にある与那国馬風(う)牧場。与那国馬の乗馬体験ができる人気のスポットです。この日申し込んだのは、馬に乗ったまま海の中まで入水するコース。このコースでは道中海水に浸かることになるので、ツアーに参加する際はあらかじめ濡れても大丈夫な恰好で参加しましょう。とことん沖縄らしく楽しむなら「クバ笠」のレンタルもおすすめ。日よけ対策にも打ってつけです。

申し込み手続きを済ませたら、まずは牧場内でしっかりと乗馬のレッスン。与那国馬風(う)牧場の乗馬体験は、インストラクターによる引き馬ではなく、自分で馬を動かすスタイル。牧場の外へ馬と出かけるために基本操作や、馬とのコミュニケーションのとり方を学びます。今回参加したメンバーは全員乗馬初心者でしたが、インストラクター田中さんの指導によって、わずか15分ほどである程度コツをつかむことができました。

実は乗馬の前に、田中さんはあることを言っていました。それは、彼女たちの個性を見ながら、乗る馬を選ぶということ。私たち一人ひとりの性格が異なるように、馬もそれぞれ性格が異なります。乗馬を行う上では、人と馬のフィーリングも大切な要素。馬と心が通い合うようになったら、いよいよ牧場の外へ。農道を通り、岩場を乗り越えゆっくりと浜へと向かいます。

美しい海へ、馬と一緒に飛び込もう。

海岸線に沿って馬と一緒に進むこと30分、目的地の浜に辿り着きました。今すぐにでも飛び込みたくなるような、青く透き通る海を前にはしゃぐ4人。与那国ならではの美しい光景が彼女たちを待っていました。ここで道中、馬に装着していた馬具を外す田中さん。いよいよ海に入る準備です。身軽になった馬は、とっても気持ちよさそう。透明度の高い海へ、助走をつけて、馬と一緒に飛び込みます。

海の中を馬にやさしく話しかけながら進んでいると、馬の背中からほんのりとした温もりが伝わってきました。一歩ずつ、一歩ずつ。自分の愛馬と共に進めば進むほどに心が通い合っていく。南国の大自然に触れ、馬の心に触れるひととき。そんな非日常の体験がここにはありました。

ありがとう。ブラッシングに感謝をこめて。

めいっぱい遊んだ浜を後にし、帰り道をゆっくりと進みます。牧場についたら、今日一日の感謝をこめて、自分の愛馬へ丁寧にブラッシング。「また来るね」と声をかけながら、この地で出来た新しい友達に別れを告げます。帰る頃には、全身に程よい疲労感がやってきます。乗馬は、馬の上でしっかりとバランスをとる全身運動。乗っているときはあまり意識していませんが、普段使わない筋肉をまんべんなく使うため、実はかなりのカロリーを消費しています。体と心、全身を動かすアクティビティを、日本最西端の島で、体験してみませんか。

日本で一番最後に沈む、美しい夕日。

乗馬体験後、4人が向かったのは島の西端にある西崎(いりざき)。日本最西端の碑がある場所、つまり日本で一番最後に、夕日が沈む場所でもあります。与那国島を訪れた際は、この地から水平線に沈んでいく美しい夕日も、心に刻んでおきたいものです。