沖縄では、本島のみならず、10の島々でマラソン大会が開催されている。
離島のマラソン大会では、島の特産物が振る舞われる大会前後のパーティー、子どもからお年寄りまで島中の人が沿道に繰り出す盛大な応援など、島がひとつになった「おもてなし」がランナーの心に染みわたる。
さらに、大会の前日やアフターに島内観光もくっつければ楽しみはもっともっと広がるはず。
ここでは、久米島マラソンに参加してアフターに那覇に立ち寄るRUN旅モデルプランを紹介。
第26回を数える久米島マラソン。フル、ハーフ、10km、5kmの4種目揃い、フルはミーフガー折り返し、ハーフはホタルドーム折り返しコース。マスターズ方式により各種目5歳刻みで上位3位まで表彰され、表彰台に上がる人数の多さも人気の秘密。沖縄県外から参加する女性ランナーが多く、離島マラソンの中でもとりわけファッショナブルな大会。
周囲約48kmの久米島は車でグルリと一周するのに、ほどよい大きさだ。久米島マラソンのフルのコースは島をほぼ巡るように設定されているが、一部、起伏の激しい北東部はコースから外れているので、大会前日にドライブで訪れておきたい。島の最高峰、宇江城岳の山頂(宇江城城跡)からは、切り立った崖が続く勇壮な海岸線など、島の姿が手に取るようにわかる。
一方、南部はイーフビーチなど白砂がまばゆい穏やかな風景が広がる。軽いジョギングで明日への身体慣らしにもってこいのエリアだ。
久米島は琉球王朝時代に中継貿易の寄港地として栄え、由緒ある歴史遺産が数多く残り、伝統工芸も今なお受け継がれている。ダイナミックな自然景観と寄り添うように、脈々と刻まれてきた島の歴史にも触れるドライブを楽しもう。
- 沖縄で最も高所に築かれた宇江城城跡からは360度の眺望が広がる。城は沖縄では「グスク」といい、一般的には地方豪族の居城だが、聖域でもある
- 大会前日のカーボローディングは、沖縄そばをアレンジした味噌もやしそばにキマリ
- 島の居酒屋で明日の完走の前祝い
- 島で代々村長を務めた旧家の屋敷、上江洲家。主家、蔵、ヒンプン(屏風塀)、便所、石塀など琉球家屋の特長がよく保存されている
- 久米島名産の車エビを「いただきま~す」
- しぼりたてのパインジュースでビタミンCも補給
- 久米島と橋で結ばれた奥武島の海岸にある六角形状の岩石群。畳石と呼ばれ、規則的な割れ目はまるで亀の甲羅のよう
大会翌日は真っ白な砂浜で朝ヨガ!人工的な音は一切ない、朝の光と優しい風を浴びて体のすみずみまで開放させてみよう。
島でたっぷりリフレッシュした後は、那覇で思いっきり遊んでみる。モノレールを利用すれば那覇空港からわずか15分で国際通りへたどり着ける。アジアンチックな牧市公設市場、焼物のお店やギャラリーカフェが立ち並ぶ壺屋やちむん通りもてくてく散歩する。
そして那覇ナイトは栄町市場へ!味わい深い店をはしごしてディープな時間を過したい。
- 久米島沖に浮かぶ砂洲のハテの浜。朝ヨガで疲れたカラダをメンテナンス
- 壺屋やちむん通りには焼物のショップが並ぶ
- 伝統柄から新しい絵柄まで揃う壺屋で普段使いのお気に入りを見つけたい
- 壺屋の裏路地に一歩踏み込むと、町の喧騒を離れて静かな時間が流れている
- 焼物の町にはおしゃれなギャラリーカフェもたくさん
マラソン大会から2日も経てば、そろそろまた走りたくなってくる頃。この日ばかりは少し早起きして、いつもなら観光客で賑わう首里城周辺を軽く走ってみるのも"RUN旅"ならではの楽しみ方。龍潭の杜も朝ならではのすがすがしさに満ちていて、気持ちいい。かつては琉球随一の名勝といわれ、水と緑といにしえの情緒が感じられる。旅の終わりは首里ウォーク。金城町の石畳道は、赤瓦家の民家や石垣が続き、南国の花々が彩りを添える。静かな住宅街は首里ならではの趣き、散策しているうちに町の息づかいや刻まれた歴史に気付かされるだろう。
- 首里城を取り囲む石垣沿いをラン。観光客が訪れる前の朝がねらい目
- 首里金城町の石畳道は散策にもってこい。首里城ランの帰りに立ち寄ろう
Model / Ayumi Nakahara、Kazue Kurasawa
Styling / Mami Kudo Hair&Makeup / Kaori Nagai
衣装協力:チャコット
協力:ランガール