心潤い、満たされる。波のゆらぎと厳かな地に包まれて
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大自然の力を借りて浄化&パワーチャージ
本島南部に位置する南城市は、絶景やパワースポットの宝庫。島の東海岸にあたるため朝日が美しいことでも知られ、なかでも知念岬公園からのサンライズは一見の価値があると聞き、訪れてみることにした。
知念岬公園で夜明け前からスタンバイしていると、水平線が徐々にピンク色に染まり、神の島・久高島のシルエットが浮かび上がってきた。やがて太陽が姿を表すと、周囲の景色は一変する。今まで暗く沈んでいた海や木々が光を受けてカラフルに輝き始め、生命力に満ちあふれてゆく。私も朝一番の澄んだ光を浴びて、身体いっぱいにエネルギーをチャージできた気がした。
次の目的地は、全国名水百選にも選ばれた垣花樋川(かきのはなひーじゃー)。左右に草木がうっそうと生い茂る石畳の急坂を100mほど下ると、湧き水がこんこんと流れ出る小さな広場にたどりつく。昔から生活用水や農業用水として利用され、地域の人々の暮らしを潤してきた垣花樋川の湧き水。絶え間ない清らかな水の流れを眺めていると、自分の中の不要なものが浄化されていくように感じた。
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神に包まれ感謝を捧げる場所
垣花樋川で心身を清めた後は、世界遺産にも選ばれた祈りの場・斎場御嶽(せーふぁうたき)へ。ここは、琉球の創世神アマミキヨが造った七御嶽のひとつといわれ、琉球王朝時代には国家的な祭事が行われていた沖縄最高峰の聖地。現在も聖なる空間として手厚く守られ、人々に崇拝されている。
木々の生命力に圧倒されながら森の中を進み、大庫理(うふぐーい)や寄満(ゆいんち)と呼ばれる拝所を見学する。拝所の前で手を合わせ、感謝の気持ちを捧げると、神に包まれているようなやすらぎを覚えた。
斎場御嶽の象徴ともいえるのが、三庫理(さんぐーい)と呼ばれる聖域だ。実際に訪れてみて、2つの巨大な鍾乳石が支え合い、見事な三角形を生み出している情景に驚かされた。ガイドさんが「これは人の手で作ったものではなく、自然が創り出した形なんですよ」と教えてくれて、さらにびっくり。三角形の巨石の奥には神の島・久高島を望む空間があり、その位置関係にも神秘を感じた。斎場御嶽は、自然の偉大さや沖縄の歴史、そして神とともに生きる人々の心に触れることができる厳かな場所だった。
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名物グルメを求めて陸続きの小さな島へ
そろそろお腹が減ってきたので、次はおいしいものを求めて漁業が盛んな奥武島(おうじま)へ。島と言っても橋でつながっているので、アクセスは簡単。まずはこの島の名物である”てんぷら”をいただくことにした。
そもそもは、魚屋さんが魚の切れ端を揚げて販売したことが始まりといわれる奥武島のてんぷら。島内には数軒のてんぷら屋があるけれど、私達は行列の絶えない人気店「大城てんぷら店」をチョイス。メニューの中から「もずく」や「アーサ」、「うむにー(紫イモなど数種のイモをつぶしたもの)」、「さかな(まぐろ)」などを選んでオーダーすると、揚げたてのアツアツを提供してくれる。1個60円というお得感もうれしい。
「170℃の油で3~4分、具材の味を損なわないようサッと揚げるのがおいしさの秘訣です」と教えてくれたのは、店主の大城さん。その言葉通り、さくさくの衣の中にしっかりと素材の旨味を感じることができた。
てんぷらを味わった後は、「奥武島いまいゆ市場」を散策。「たいら鮮魚店」をはじめとする魚屋が軒を連ね、ショーケースにずらりと並ぶ南国ならではの魚を見て歩くだけでも楽しい。刺身や海鮮丼、お寿司など、その場で食べられる商品を販売している店も多く、ランチにもぴったりだ。
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夕暮れ時の海でドラマチックなSUP体験
奥武島を後にして、いよいよ今日のメインイベントであるSUP体験へ。知念岬近くのショップ「ナチュラ」で着替えを済ませ、インストラクターの田中さんと一緒に海へ向かう。
波に揺れるボードの上に立つのは、緊張の一瞬。でも、田中さんの丁寧な指導のおかげで、SUP経験がほとんどない私でもすぐに立って漕げるようになった。海の上で波のゆらぎを感じていると、まるで自分が海の一部になったような不思議な気分。日頃の疲れやストレスが全部水の中に溶けて、流れていくように思えた。
今回、あえて15:00スタートという遅めの時間帯を選んだのは、夕暮れ時のドラマチックな海でSUPをしてみたかったから。このエリアの空と海を毎日見ている田中さんも、「15時頃は海の色がすごくきれいで、日暮れ頃になると太陽の光が優しいオレンジ色に変わって美しいですよ」と教えてくれた。この日は少し雲が多めだったけれど、雲の隙間からシャワーのように降り注ぐ光が神々しくて、心が洗われるようなひとときを過ごせた。
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