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サッカージャーナリスト小澤一郎が語るFC琉球サッカーの魅力!

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「3−1で勝つ攻撃的サッカー」をモットーにJ2昇格を目指したFC琉球の2017年シーズンは過去最高となる6位フィニッシュだった。

今季のJ3は17チームと昨季から1チーム増加、試合数も2試合増えた中、FC琉球の昨年比で特筆すべきデータは失点数の減少だ。46失点の昨年に比べ、今季は36失点と10も失点数を減らしている。

攻守の切り替え

サッカーの内容における具体的変化としてピッチ上で見えたのはトランジション(攻守の切り替え)局面における質の向上だ。サッカーには「攻撃」と「守備」の2局面の間をつなぐ、「攻撃から守備」「守備から攻撃」への切り替えに当たるトランジションの2局面があり、計4局面で成り立つスポーツである。サッカー観戦においてはこの4局面を意識することで、チームの特徴と試合での狙い、戦術が見えてくる。

今年のFC琉球は昨年までのボール保持率の高さ、パスワークの多彩さをベースにしながらも、各トランジションでのプレーの強度と精度が格段に上がった。

最終節富山戦の先制(決勝)点は前半4分に生まれたが、「守備から攻撃」の場面では相手ボールキープ(保有)時のプレッシング(相手のボール保持者やその近くの選手に寄せて圧力をかける)で左サイドにパスコースを限定し、そこからの横パスをカットしてからのカウンターだった。

ソツのない攻撃

一方もう一つの「攻撃から守備」へ移行する際のトランジションだが、富山戦でのFC琉球はボールを失った瞬間にボールを奪い返しに行くプレッシングの強度が高く、ボールから距離のある選手の反応も早いため、90分を通して相手を圧倒する展開と決定機の数を作り出していた。カターレ富山の浮氣哲郎監督も試合後、「攻撃が多彩で切り替えが早く隙のないチーム」とFC琉球のサッカーを賞賛した。

魅せるサッカーへ

チームの強化責任者の李済華GMは近年のFCバルセロナや今季のマンチェスター・シティといった世界最高レベルのチームの強さを例に出しながら「美しいサッカーと勝利というものは相性がいい。サッカーは根本的にゴールを目指すスポーツなのでチャンスの数が多いほど得点を奪う、勝利する可能性は高くなる」とFC琉球が攻撃的サッカーを採用する理由を説明する。

J2昇格へ向けて

ただし、監督にとって「攻撃」と「守備」のバランスは永遠の課題だろう。金成監督も最終節終了後に「よりステップアップしたチームにするためには、ある程度(守備を)安全にしながらも点を取るという難しいところにチャレンジしていかなければいけない」と語っている。とはいえ、FC琉球としてのサッカーのベースは李GMと金監督の体制となった2シーズンですでに出来上がっており、金監督体制3年目を迎える2018年シーズンはJ2昇格という結果のみならず内容面でもJ3で群を抜く可能性を十分に秘めている。

取材協力

琉球フットボールクラブ株式会社

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