TRIATHLON

トライアスロン

挑戦者、家族、応援、とりまくすべてのひとが本気で向き合う 宮古島 トライアスロン

Report

 2016年4月17日、スイム3km、バイク157km、ラン42.195km、総距離202.195kmの過酷なレース「宮古島トライアスロン」の応援に行ってきました。宮古島と橋でつながる周辺離島をくまなく巡り、ロングディスタンスコースのトライアスロンとしては日本屈指の人気を誇る大会。
宮古島トライアスロン コースマップはこちら

 宮古ブルーの美しい海と温暖な気候、そしてなにより心から選手たちを歓迎する島民みなさんのうとぅいむち(おもてなしの心)。そんな宮古島ならではの魅力と、完走者に授与される「ストロングマン」の称号を求めて16か国47都道府県から1,546名の挑戦者が集いました。


スタート前の選手たち。日の出と共に長い闘いが始まる

与那覇前浜ビーチでのスイム



スイム後は万全なメディカル運営体制で迎えられる

スイムの帰りを待つ応援の人たち

伊良部大橋のバイク

スイムからバイクへ切り替え

沿道の声援も熱い

無料の橋では国内最長となる全長3,540mの伊良部大橋

32回という長い歴史の中で培われた万全の救護体制や運営体制は国内外の大会でもトップクラスと言われます。今では世界各国から注目されている同大会は、32年前に「一生懸命頑張ろう」という宮古島の方言「ワイド・ワイ」をもじって生まれた「ワイドーワイド」のスローガンとともに始まりました。現在も、小さなこどもたちからおじいおばあまで「ワイドーワイド!」の声援が飛び交います。過酷なレースに人生や生活をかけて挑む選手たちと、彼らを一生懸命サポートする家族。その挑戦に本気で向き合い、心からのもてなしや運営で迎える主催者やボランティア、島民のみなさん。大会の様々なシーンで、本気の「心と心」の触れ合いに出会うことができました。

■士気の高まり合いが見られるトランジションエリア

 3kmのスイムを終え陸へ上がると、大きな拍手と声援が選手たちを迎えるトランジションエリアへ。大粒の雨が落ちる中、157kmのバイクへ向けて選手たちが装備や気持ちを切り替えるその数百メートルの間、家族や友人、仲間達が激励の声を飛ばし、タオルや水を渡して背中を押す姿がとても印象的でした。
 種目が切り替わるごとに緊張感が増す制限時間との闘い。特にバイクからランへのトランジションエリアでは、バイクを終えフルマラソンへと気持ちを奮い立たせる選手たちに向けて、家族や友人達だけでなく運営スタッフも拍手と声援を送ります。ヘルメットを外しランニングシューズへ履き替えフルマラソンへのチャレンジ。種目の切り替え毎に再び奮い立つ選手の気迫と、周囲の本気の応援から感じられる士気の高まり合いはトライアスロンならではの場面でした。トランジションエリアとゴール地点に事前に運搬される各選手の荷物は、3箇所ごとに異なる色の袋が用意され、ミスを起こしにくい工夫がされていました。

トランジションエリアでは大きな拍手が選手たちに向けられる

地元の子どもたちも「ワイドーワイド!」とかわいらしい声援を送る

色分けされた各種目の荷物袋は最終的に全てゴール会場へ運ばれ選手たちの帰りを待つ

メカニックなどのサポートも欠かせない

子供から大人までみんなが拍手と声援を届ける

手作りの横断幕や応援バスツアーの声援がエールを送る


■ゴール会場は感動の連続

 競技場に入りゴールテープを切るまでの一周では様々なドラマが繰り広げられました。制限時間13時間30分という過酷な1日、またこの日を迎えるために支え続けた家族や親戚一同、恋人や友人、仲間達、教え子など。皆それぞれ挑戦者の戻りを待ち受け、最後は手を取り合い一緒にゴール。横断幕を持つ仲間たちを携えてゴールする人、特大の花束を受け取る人、赤ちゃんを手渡される人までも。恋人の完走に涙して喜ぶ女性にサプライズで向けられたプロポーズの場面もありました。
 トライアスロンへの挑戦には、周囲のサポートや理解が不可欠であり、挑戦者だけでなく、支えてきた方々にとってのゴールでもあると実感しました。ストロングマンたちの人生の一部に触れたような素晴らしいひとときでした。


7時間52分09秒で優勝した戸原選手

笑顔でゴール

台湾の国旗とともに

ゴール後、選手をサポートする多くのスタッフたち


■県外・海外からの選手へインタビュー

 同大会に、第1回から挑戦し続けている人は2名。多くの選手が連続出場または複数回の参加経験があることも特徴的です。また、全参加者1546名中、1423名が県外から、116名が海外からの参加という驚きの割合。県外、海外から参加された選手のみなさんの声を聞きました。

●米倉 宏亨さん

 滋賀県在住の米倉さんは24回目の参加。トライアスロンチーム『ビッグレイク』に所属し、今回も多くのチームメイトと参加されていました。毎年、皆生トライアスロン、そして宮古島に参加しているとのことです。今回大会の感想をお聞きしました。
 「バイクでペースダウンしたけど、ランで巻き返すことができました。今日は風が強くてつらかった。スイム後の雨はかなり強く、転ばないように気を付けて走る必要がありました。全体的には楽しく走り終えることが出来ました。宮古島トライアスロンに参加出来るのはあと2回のみなので、来年もその次も絶対参加して完走します!」

続いて女性にもお聞きしました。宮古島在住の友人を訪ねることも兼ねて毎年参加している郷田さんのお声です。

●郷田 裕子さん

「宮城県在住で、宮古島トライアスロンは今回で5回目の参加です。マラソンを始めて10年目で、走ることが好きで通勤前後や雪が降ってもランをしています。宮古島以外にも佐渡の大会にも出場経験があります。」
(今大会の魅力は何ですか?)「応援が素晴らしいです。島の人のあたたかさが好きです。また、距離も長いのでゴール後の自己達成感を得られることも魅力です。今回も完走出来て、やっぱり楽しかったです。来年もまた是非参加したいです。」

台湾からチームで参加している皆さんにも感想をお聞きしました。

●台湾トライアスロンチーム"DWD Triathlon"

若い男女が集まるトライアスロングループで参加。宮古島トライアスロンの参加は今回が初めてとのことです。
(どうして今大会に参加を決めたんですか?)「五島、佐渡、皆生、宮古島の日本4大トライアスロンを調べて、五島と皆生は達成しました。次は宮古島だ!ということで、グループで来ました。完走したので、次はいよいよ最後の佐渡に挑戦します。」
「初めての宮古島トライアスロンはすごく楽しかったです。グループチームだけど普段から全員で集まるわけではないので、一緒に大会参加することでみんなが会う良い機会になります。今回みんなで参加することが出来て良かったです。」

■最大の魅力は「ワイドーワイド」の精神

 NAHAマラソンに代表されるように、沖縄のスポーツイベントは年々人気が高まっており、県外海外からのリピーターも多く参加されます。惹きつける魅力のひとつとして、「沿道の応援が素晴らしい」事が挙げられます。「ゆいまーる」「いちゃりばちょーでー」の心でもてなすうちなんちゅならではの応援が、参加者の心に届いているからでしょうか。
 更に宮古島トライアスロンは同大会ならではの魅力が加わりより一層惹き立てます。初めて参加した友人は、「工夫が凝らされストレスを感じさせない運営、前々日と後夜祭の2回も開催されるパーティー、ちいさな子どもたちが一生懸命応援やボランティアをしてくれている様子。すべてに感動した」と話していました。
 選手や応援団は宮古島トライアスロンに"本気"で挑む。そして宮古島の全ての人がその思いや努力を"本気"で受け止める。心と心の触れ合いこそが最大の魅力であり、第1回目から続く「ワイドーワイド!」の精神が大会の根幹に根付いていると感じました。


健闘を称える花火


大会翌日のふれあいパーティーの様子

大会の2日前に開催された前夜祭(ワイドーパーティー)では参加者の「がんばるぞー!」「オー!」の声が響いた

沖縄伝統芸能"エイサー"などのアトラクションや獅子舞、特大ケーキも登場。地元の飲食店、物産展が来場者を迎え、ワイドーパーティーでは最大級のおもてなしが繰り広げられた