MARATHON

マラソン

大会参加者レポートVOL.2 第22回日本最西端与那国島一周マラソン大会

Report

一年で一番賑やかになる島のイベント

日本には4端という東西南北の端っこがある。それがどこかと言われれば多くの人が北の宗谷岬、南の波照間島は答えられるだろう。東の納沙布岬も名前を聞けば「あ~あ!そうだ!そうだ!」と頷く人は結構多いと思う。では、西はどこでしょう?
そう!正解、与那国島です。

人口1500人ほどの小さな島、その島が1年で一番賑やかになるのが「与那国島一周マラソン大会」。一周約25kmの島を駆け巡るこのマラソン大会は年々知名度を上げ参加者が増えている。今年は沖縄県内外から600人を超すランナーの方が参加し普段は静かな島も前日からあちらこちらで賑やかな声が聞こえてきます。

そして、島内は準備期間から大忙し。会場の設営やコース上の掃除等々、当日ランナーの皆さんが気持ちよく走っていただくための環境づくりはもちろんですが、マラソンが終了した後に開かれる祝賀会で披露する余興の練習が毎日夜遅くまで続いていました。

前日まで余興の練習!?島の青年会の意地

私の所属する島の青年会も島の伝統芸の棒踊りを披露するので練習に余念がありませんでした。この棒踊り、迫力があり見応えは抜群ですが動きが激しいため練習を始めるとすぐに体のあちらこちらから悲鳴が上がります。マラソン前日まで続く練習でひどい筋肉痛に悩まされるなか
・・・・私は人生で初めて一周マラソンを走りました。

前日までは肌寒く少しだけ冬の始まりを感じさせる天気でしたが、マラソン当日は一気に真夏日に逆戻り、ピカピカに輝く太陽の暑い日差しを浴びながら受付を済ませ、会場で待機中に思ったことは
・・・うん!今日無理だ!!

グングンと上がり続ける気温!両足は筋肉痛!見事なバッドコンディション、しかし、せっかくエントリーしたのだから完走はしたい!気持ちを入れ替えてスタートを待ちました。

スタート時間が近づきランナーの皆さんがスタート位置に整列している中、私達青年会はひと仕事、伝統の衣装のドゥタティに着替えてスタート地点に集まります。

太鼓とドラと笛を使い、ランナーの方たちの安全を祈願して「座慣らし」を行うのです。
力強い太鼓の音でスタート前の会場は一気に盛り上がり、ランナーの皆さんのやる気がいっそう強く感じられるようになりました。

私は「座慣らし」終了後に急いで着替えを済ませスタート位置へ、すぐさまスタートの合図が響き渡り、一周マラソンが始まりました。

一斉にスタートするランナーの方々を青年会のメンバーは太鼓を打ち鳴らし、他の住民の方々は声援で見送ってくれました。

序盤は完走できるようにマイペースを心がけながら走り、東牧場エリアへ。ここでは与那国馬と牛がほぼ放し飼いの状態で放牧されているためランナーの中には沿道にいる動物たちと一緒に写真をとりながらマラソンを楽しんでいる方もいました。

動物達に癒やされた後に待っているのは、一周マラソンを経験した人達が声を揃えてあそこが一番キツかったと言っていた「魔の5キロ地点」。

応援の前ではなんとか元気に駆け抜けたが

急勾配の激坂の連続アップダウン、坂を登り切ったと思った時に見えてくる次の激坂は体力と気力をどんどん奪っていきます。
そんな時にたどり着く給水ポイントでは子どもたちが一生懸命給水のお手伝いをしながら応援してくれます。かわいい声援に元気をもらいながら何とか中間地点の南牧場付近に到着。しかしそこで体力切れ、両足は棒のようになりもはや走っているのか歩いているのかわからないような状態。しかし、集落に差し掛かれば沿道に見える島の人達、さすがにこんな姿は見せられないと応援の中を元気に駆け抜け、人がいなくなった時に歩くというなんとも情けない状態でした。
最終結果は規定タイムオーバーでしたが回収車による強制リタイアを逃れなんとか完走!私の初めてのマラソンが終わりました。

しかし、まだ祝賀会が残っています。会場では私より一足早く完走したランナーの皆さんが、振る舞われるお酒と料理に舌鼓を打ちながら祝賀会を楽しんでいました。

いよいよ自衛隊の方たちによる吹奏楽で余興がスタート!

私達の出番はこの次のため舞台裏にて着替えなどの準備を進めていました。さすがにマラソンを走り終えてからあまり時間が経ってない事もあり準備を終えた後はぐったりする自分。その間に自衛隊の方たちの演奏が終了し会場からは大きな拍手が舞台裏まで聞こえてきます。
やるしかない!出番を前にして気合を入れ直しいざ舞台へ、ドゥタティ姿の男達が姿を見せると会場の人達は何が始まるのかと一瞬静まり返ります。太鼓の音が鳴り出すと場内の視線が一斉にこちらに集まるのが感じられます、気持ちいですね!

疲れ吹き飛ぶ達成感!舞台上で実現

舞台上で繰り広げられる演舞に会場からは拍手や指笛が飛び交います。最後の子どもたちによる演舞ではオヒネリがバンバン飛んできて会場は大盛り上がり!
終演後に送られる拍手や声援の嵐を聞くとその日の疲れも吹き飛びなんとも言えない達成感を感じました。
私達の演舞が終わった後は島のフラダンスチームによる本格的なフラダンスが始まり、会場を沸かせていました。

祝賀会が終わってもこの日の夜はまだまだ続きます。島の居酒屋や宿などあちらこちらからは宴会の笑い声が聞こえてくる。普段の静かな島の様子とは違った夜がこの日は続いていました。

初めて走った一周マラソン、完走は出来ましたがタイムオーバーという悔しい結果に終わってしまいました。しかし、走っている時に声援をくれる島の人達やその後の祝賀会の様子からこのイベントがランナーの人達だけが楽しんでいるわけではなく島にいる人達皆さんを楽しませる大きなお祭りみたいなものだと感じました。
マラソンを通して島が活気づく素敵な一日、与那国島一周マラソン大会に参加できて本当に良かったです。来年も参加し規定タイムに入れるように、そしてまた祝賀会でランナーの皆さんを楽しませる演舞を見せられるよう頑張ります!!